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キャッツアイは、光の反射によって猫の目のような光の筋を示す宝石で、特に「クリソベリル・キャッツアイ」が市場で高い評価を受けています。この現象はシャトヤンシー効果と呼ばれ、内部の微細な構造物が光を反射することで生まれます。
インドや東南アジアでは、キャッツアイは守護石や幸運の象徴とされ、古くから装飾品として人気があります。そのため、ファッション性だけでなく精神的な価値も付加されており、特定の文化圏では高額取引が行われています。
キャッツアイの価値を決める重要な要素は色です。市場で高く評価されるのは「ハニーイエロー」と呼ばれる緑がかった黄色の品種です。この色合いは石の透明度が高く、輝きが強いものに見られます。また、石の中心を境に異なる色を示す「ミルクアンドハニー」の効果を持つものは、高級品とされています。一方で、茶色やゴールド系のものはやや評価が下がります。
キャッツアイの象徴ともいえる光の筋、シャトヤンシー効果は、品質評価の中核をなします。光の筋が中心を直線的に走り、シャープで鮮明なものが理想的です。ラインがぼやけたり、中央を外れていたりするものは評価が低くなります。そのため、シャトヤンシー効果を確認する際には、適切な光源の下で石を回転させることが推奨されます。
キャッツアイは1カラット未満が一般的で、それ以上の大きさは希少とされます。特に5カラットを超える高品質なキャッツアイは、非常に高価で市場での価値が一段と高まります。石が大きければ大きいほど、シャトヤンシー効果や色の美しさが強調され、特別な存在感を放ちます。
キャッツアイの内部には微細な含有物が必要で、それがシャトヤンシー効果を生み出します。ただし、これらの含有物が多すぎると石の透明度が損なわれ、全体の評価が下がることがあります。透明度と含有物のバランスを持つ石が、特に高い評価を得ます。
キャッツアイを売却する際、真贋を確認することが優先事項です。市場には人工石や別の鉱物がキャッツアイとして流通していることがあり、これらの偽物を見分けるには鑑定書が重要な役割を果たします。鑑定書には、鉱物名、カラット数、シャトヤンシー効果の評価、色などが記載されており、これがあるだけで査定価格が上がります。