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希少性が高く、世界で最も高価な宝石のひとつとして数えられているアレキサンドライト。
変色性があり、太陽光の下では緑色~青みがかった緑色、白熱光の下では赤色~紫がかった赤色、すみれ色、オレンジ色などを示すのが特徴です。「昼のエメラルド、夜のルビー」と表わされることもあり、二面性をもつ宝石として知られています。
とくにロシアのウラル山脈で採れるアレキサンドライトは、優れた変色効果かあることから非常に高価で取引されます。
アレキサンドライトは、1830年にロシアのウラル山脈で発見されました。その色が変わる不思議な宝石は、当時の皇帝へと献上されます。その日が次期皇帝であるアレクサンドル2世の誕生日であったことから、アレキサンドライトと名付けられたそうです。
アレキサンドライトは6月の誕生石であり、「秘めた思い」「情熱」「誕生」「高貴」「独立」などの石言葉をもっています。また、色が変わるという二面性のあることから、内に秘めた力を引き出してくれる宝石だといわれています。
品質の高いアレキサンドライトは、彩度が強いのが特徴です。太陽光の下では緑色や青みがかった緑色になり、白熱光の下では赤色~紫がかった赤色になります。
かつてロシアの鉱床からは上質なアレキサンドライトが産出していましたが、現在では非常に数が少なく、希少性が高くなっています。
また、ブラジルでもロシア産に劣らない上質なアレキサンドライトが産出されています。しかしブラジル産のアレキサンドライトも減少しており、上質なアレキサンドライトを手に入れることは容易ではありません。
なお、現在アレキサンドライトはスリランカなどでも産出していますが、淡色な傾向にあり、魅力は低め。太陽光の下では黄みがかった青緑色、白熱光の下では茶色がかった赤色を示します。
クラリティとは透明度のことであり、インクルージョン(内包物)やブレミッシュ(疵)などの少なさを評価する指標です。
上質なアレキサンドライトにはインクルージョンがほとんど含まれておらず、劇的な色の変化があるのが特徴。クラリティの高いアレキサンドライトは非常に希少です。
また、シャトヤンシーのあるアレキサンドライトも価値が高いとされています。シャトヤンシーとは細長いインクルージョンが平行に並んだものであり、シャトヤンシーとともに変色効果を見せるアレキサンドライトは「キャッツアイアレキサンドライト」と呼ばれています。
アレキサンドライトの一般的なカット方法は、クラウンにブリリアントカット、パビリオンにはステップカットを施すミックスカットとなっています。
カット職人はクラウンを通して変色性を活かすカットを行い、どの方向へカットすればアレキサンドライトの色変化が最も大きくなるかを見極めます。
サイズが大きく、変色性の高いアレキサンドライトは上質で高価だといわれています。しかしカットされたアレキサンドライトは小さく、ジュエリーに使用されるアレキサンドライトは1カラット未満のことがほとんど。上質でサイズの大きいアレキサンドライトは非常に希少なのです。