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オーソクレースとは「長石族」に属する鉱物の一種です。長石のなかでもカリウムを豊富に含むことから「カリ長石」とも呼ばれます。割れやすく加工が難しい石として知られており、オーソクレースという名前も割れ方に由来しています。
2方向にスパっと割れる性質があり、力を加えるとまっすぐに割れます。この様子から、ギリシャ語で「まっすぐに割れる」という意味が付けられました。
ジュエリーに加工するのが難しいため、宝石よりもコレクター向けとしてルース状で流通しているものが多く見られます。
透明(カラーレス)なものもありますが、シャンパンのような淡い黄~緑を帯びた色が多く見られます。ほかにも、オレンジやグレー、ホワイト、淡い青色や緑、赤、褐色など、色のバリエーションは豊富です。
オーソクレースの産地は、スリランカやミャンマー、マダガスカル、ドイツが有名です。これらの産地では、良質な宝石品質のものが多く採れることで知られています。
他にも、ロシアやイギリス、イタリア、チェコ、スイス、スペイン、タンザニア、アメリカ、カナダ、ブラジル、インドなどで産出されます。日本で採れる場合もあることから、比較的広い分布で採れる石だと分かります。
ムーンストーンとは、表面に乳白色や青白い光が浮かんで見える「シラー効果」を持つ長石石の総称です。そもそもムーンストーンは「鉱物」ではなく「宝石」としての呼び方ですが、オーソクレースが主体となっていることから、オーソクレースの亜種であると言えます。
オーソクレースにアルバイトが含まれると、内部に細かな層ができます。その層に外からの光が反射すると、光の揺らめきが変化するシラー効果があらわれます。
ムーンストーンと対になるように名付けられたオーソクレースに、サンストーンがあります。ムーンストーンがカリウム長石なのに対し、サンストーンは斜長石グループに属する石ですが、赤色が主体となっており、炎のようにメラメラと輝く様子は太陽のように見えます。見る角度によって黄色や緑、青みがかった色など、様々な色が見られることもあります。
特に、アメリカのオレゴン州で産出されるサンストーンはきめ細やかなきらめきを持っており、「オレゴン・サンストーン」と呼ばれて希少価値が高いとされています。
ラブラドライトは、長石グループのなかでもカルシウム分を多く含んだ鉱物です。地色が暗く、虹色に見えるものが代表的です。干渉色のみならず透明度の高い単色系のラブラドライトもあり、黄色やオレンジ、赤、緑などのカラーバリエーションがあります。
世界でもっとも美しい石のひとつといわれる「オレゴン・サンストーン」は、鑑別上ではサンストーンではなくラブラドライトに分類されます。
一般的に高値で取引されるオーソクレースは、透明や黄金色、シャンパングリーンなのが特徴です。プラシオライト(グリーンアメジスト)に似た色をもつほど緑色のものはより希少性が高く、高値で取引されます。
オーソクレースは割れやすく加工が難しいため、その価値はカットによって異なります。ムーンストーンに多く見られるカボションカットは比較的安価ですが、ファセットカットは高めです。中には1カラットあたり45ドルで取引されるものもあります。
※参照元:GEM ROGK(https://www.gemrockauctions.com/ja/learn/a-z-of-gemstones/orthoclase?srsltid=AfmBOooSy_XQA8JISuwXXSHs5k7IzqYTzwAZZEnsuSFfpuQLExs2s-Xr)
