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アクセサリーによく使われている「翡翠」とは、具体的にどのような宝石・装飾品なのかご存じでしょうか。翡翠は英語名で「ジェイド」と呼ばれており、日本で宝石として一般的に扱われるのは、「本翡翠」「硬玉」といわれるものです。
鮮やかな緑色の色味が特徴的な宝石であり、薄いグリーンの物もあればとろみのあるグリーンの物もあります。
翡翠は鮮やかな緑色が特徴的な宝石「エメラルド」と同様、5月の誕生石として知られています。日本では結婚35周年をお祝いする結婚記念石としても知られており、翡翠のジュエリーや小物を贈り合う習慣でも知られています。
「翡翠」という漢字には、「カワセミ」という読み方があります。カワセミは赤と緑の美しい色彩を持っている鳥のこと。赤と緑を併せ持つミャンマー伝来の翡翠とカワセミがよく似ているため、鳥の名前が由来となっているとされています。
翡翠は色が濃く透明感が高いほど、希少性が高く価値も大きいものであるとされています。「翡翠」といっても緑色の質感にはそれぞれ差があり、濃いエメラルドグリーンや、青りんごのようなフレッシュな色までさまざまです。
色むらが非常に出やすいことでも知られており、まだら模様がなく、純粋な色味を持つ翡翠の価値が高いと評価されています。
翡翠といえば緑色を想像する人が多く、実際に翡翠として販売されているものも緑色が多いのが現状。しかし実際には、翡翠には以下のような色も存在します。
さまざまな色味を持つ翡翠ですが、中でも特に貴重とされている色味が緑色とされています。さらに緑色の翡翠の中でも、色味が薄いものや、グレーに近いくすみがかった緑色など、質感は多岐にわたります。
さらに価値が高いのは、くすみがなく透明感と独自のとろみを持った緑色の翡翠です。特にとろみのある翡翠は「ロウカンヒスイ」と呼ばれており、1ctほどの大きさであっても高価で取引されています。
ほぼ透明で鮮やかなエメラルドグリーンが最も効果に取引されるというだけで、イエローがかったものは「林檎の翡翠」と呼ばれて取引されています。また、明るいグリーンの線状、パッチ、スポットをもつ半透明のホワイトを持つものは「雪翡翠の苔」として売買されていることも。
緑色の次に価値が高いのはラベンダー色の翡翠であり、オレンジ色の翡翠も人気があります。緑以外の色でも、明るく透明感があれば十分に高い価値で取引されています。
翡翠輝石として取り扱われている宝石は、完全な不透明から半透明の範囲。特に最高価値を持つ翡翠は半透明であり、翡翠を通して文字を読もうとすると少しぼやける、といった程度です。
光が表面の下に浸透するため、高価値である半透明の翡翠は非常に魅力的であるとされています。緑色の場合はみずみずしく、ラベンダーの場合は色味の魅力が引き立ちます。
逆に望ましくないと去れている翡翠は、完全に不透明であることや、透明感を損なう曇りなどが見られます。
翡翠はその結晶構成上の特徴から、完全に透明になることはありません。そのため価値のある半透明の翡翠は、見た目には飴玉やグミを連想させるとろみを感じさせるのが特徴。透明性を判断する方法の一つとして、印刷されたページの上に薄くスライスされた翡翠を置いて印刷文字が読めるかどうか確認されることもあります。
透明感のある翡翠であれば、多少の色味の不均一さや艇彩度といった欠点を補うこともできるとされています。
翡翠の石は基本的に滑らかな質感で、触ったり握ったりすると心地良いのが特徴です。質感はそれぞれ結晶のサイズと硬度の違いによって、以下の3つに分けられます。
古い鉱山、比較的古い鉱山、新鉱山という分類で質感を分けることもあります。
翡翠の結晶構造は靭性も卓越しており、重なり合った結晶はしっかりと相互成長して、簡単には壊れない、外部からの圧力に対する抵抗力もあります。そのため滑らかな宝石としてだけではなく、昔は飾り用具や武器に使用する際にも利点として考えられていた歴史を持ちます。
外から加えられる力に強いだけではなく、水や光にも耐性があることから、ジュエリーとしても扱いやすい部類として考えられています。
ジュエリーとして取り扱われる翡翠は、山形になった「カボションカット」を施されるのが一般的です。山の頂上の位置が高いものや、思わず手に触れてみたくなるような、滑らかな表面とくぼみのないカットが特徴です。
最高品質の翡翠であれば、リングなどの宝石類で使用するために多くがカボションにカットされます。カットの際はシンメトリーであることや厚さ、プロポーションなどに細かく留意して行われます。
ちなみにキャリブレーションはそれほど重要ではなく、未加工品の翡翠の重量を節約することが目的とされることがほとんどのため、最高級の翡翠はキャリブレーション済みのサイズにカットされることは非常に稀です。
最高級とまではいかずとも、上質だと判断される翡翠はストランドに繋ぐため、ランドビーズにカットされる場合もあります。翡翠のカラーや質感はビーズのマッチングに最も重要な要素ですから、透明性・サイズ・カットのシンメトリーを一致させて宝石として扱います。
特に色についてのマッチングは難しく、長いストランド、大きなビーズになるほど価格は高く設定されるでしょう。
中国で最初に刻まれた翡翠の腕輪は、少なくとも4000年以上は歴史をさかのぼると考えられています。着用する者に平和や安全をもたらすと考えられていた翡翠の腕輪は、現在でもジュエリーとして重要に扱われています。
翡翠の腕輪はくり抜きで作られるケースもあり、単一の未加工の状態から腕輪を創る場合には、石の重量を大量に損失することになります。そのためくり抜きの腕輪は、いくつかのピースを貴金属で接合してつくられる腕輪よりも、一般に高価であるとされています。
中国でも永遠のシンボルとして扱われている「壁」とは、ドーナツのような、中心に丸い穴の開いた凸状、もしくはふっくらとした円板のカッティングです。形はシンプルで、円になっている翡翠の幅は穴の2倍以上でなければなりません。
翡翠の愛好家たちにとって、大切に扱われている形状です。
翡翠のリングを作成する場合、全てが翡翠で構成されたシンプルなバンドになっています。最高品質のものは、全周囲が均一な色味を持つバンドです。
翡翠のリングにはバリエーションがあり、サドルリングや、彫刻を施した長方形のトップとソリッドバンドなども扱われています。
翡翠のサイズは一般的にミリメートルで表示され、カボション、ビーズ、バングルブレスレットなどの価値は、他の品質要因が全て等しい場合には、サイズが大きくなればなるほど高いと判断されます。
カボションカットにされた翡翠も、縦横幅や厚みのある物が最も高価です。大きくなればなるほど高価とされますが、あくまで質が良いものに限った話のため、質感の劣る翡翠であればいくら大きくても高価にはなりません。
また、ロウカン質の翡翠は大粒のものがほとんどないため、大きさよりも色や質感の方が重要視されています。